2022.03.21

創業融資のコンサルタントとは?メリットやデメリットについても解説します

創業融資は、起業する際に利用される資金調達法の1つです。創業融資を受けるには、事業計画書を作成したり、金融機関との面談などをクリアしなければなりません。しかし、初めて起業する人にとっては、わからないことが多いのではないでしょうか。そこで利用すると便利なのが、創業融資コンサルタントです。ここでは、創業融資コンサルタントのサービス内容や、業者の選び方などを解説します。

創業融資コンサルとは?

創業融資コンサルとは、創業融資を受ける人をサポートするサービスです。

この創業融資コンサルには、

・創業「融資」だけに特化したコンサルサービス
・創業「全般」をサポートするコンサルサービス

の2つがあります。

それぞれ、どんな特徴があるのか見てみましょう。

・創業「融資」だけに特化したコンサルサービス

文字通り、創業融資に関するサポートをするコンサルタントです。

  • ・日本政策金融公庫などに提出する必要書類全般の作成代行
  • ・日本政策金融公庫との交渉
  • ・面接対策

などを行ってくれるサービスです。

・創業「全般」をサポートするコンサルサービス

こちらは、創業融資だけでなく、起業してから、事業が軌道に乗るまでサポートを続けてもらえるもので、以下のような特徴があります。

  • ・融資の成功後まで見据えた事業計画書のアドバイス
  • ・創業融資後の資金活用面でのサポート
  • ・事業経営に必要な業者・士業系専門家の紹介

創業融資だけを目的とするなら、創業融資に特化したコンサルのほうが料金は安くなります。しかし、起業した会社が、必ずしもうまくいくとは限りません。そのため、会社の運営まで考えるなら、起業後も継続してコンサルティングをしてもらえるほうが、有効と言えるでしょう。起業した初期段階では、経営者もわからないことだらけなので、この時期に専門家にアドバイスしてもらうことは、会社の安定経営には欠かせません。

さらに、税理士や弁護士などの支援も受けられるので、なお一層安心感が増します。このように、創業融資コンサルの会社を選ぶ場合は、創業融資に限ったサポートか、それとも起業後も継続してサポートを求めるかによって変わります。もちろん、継続してサポートしてもらうには、その分だけ費用も高くなるので、よく吟味して自社に合ったコンサル会社を選びたいものです。

創業融資にコンサルは必要なのか

ところで、起業する際に創業融資を受けるためには、コンサルタントが必要なのでしょうか。実を言うと、必ずしもコンサルタントが必要なわけではありません。起業する人によって、コンサルが必要な場合と必要ない場合があります。では、創業融資コンサルは、どんな人によって有効なのでしょうか。

創業融資コンサルが不要な人

まずはじめに、コンサルが必要のない人について解説しましょう。起業する人の中には、初めて起業する人もいれは、何度か創業融資を受けたことのある人もいます。すでに創業融資を受けた経験があれば、コンサルを受ける必要はありません。また、事業計画書の作成に慣れている人や、税理士などの資格を持っていて、創業融資の手続きがスムーズに進められる人も、コンサルは必要ないでしょう。

また、創業融資を受けたことがある人でも、事業計画が複雑であったり、希望する額の融資を受けたい場合などは、コンサルのサポートを受けたほうが、成功率が高くなります。しかも、創業融資は審査を通らないと、半年以上再申請できないので、創業融資を受けた経験があっても、失敗したくなければコンサルに依頼するほうが無難です。

創業融資コンサルが必要な人

初めて起業する人は、創業融資コンサルを利用することをおすすめします。上記でも触れましたが、創業融資は審査を通らないと、半年以上再申請ができなくなり、しかも審査に落ちたという履歴が残りますから、再申請した場合にチェックが厳しくなるので、さらに融資が難しくなります。そこで、確実に創業融資を受けるためには、コンサルにサポートしてもらったほうがいいでしょう。これから起業しようという場合に、審査に落ちたからといって、半年以上待つのはかなり困難ですから、起業を断念することにもなりかねません。

そうならないためにも、コンサルのサポートを受けるようにしたいものです。また、希望する融資額を獲得したい場合も、コンサルの力を借りましょう。たとえ融資が降りても、希望する金額をはるかに下回るようでは、資金計画が狂ってしまいます。そうなると、その後の事業運営にも影響することになります。また、創業融資を受ける際に提出する事業計画書の内容や、面接を受けた際の印象によって、審査に通らなかったり融資額が減額されることもあるようです。そういった事態を回避するには、専門知識を持ったコンサルの指導のもとで事業計画書を作り、面接のシミュレーションを行う必要があります。

また、忙しくて事業計画書を作成する時間がないという人も、コンサルに依頼すれば作成を代行してくれるのでおすすめです。起業すると連日多忙な日が続くため、いくら時間があっても足りません。そんな中で、事業計画書を作成する時間を作り出すのは容易ではないでしょう。しかも、事業計画書の出来次第で、融資に通ったり落ちたりするので、おろそかにはできません。完璧な事業計画書を作成し、完全な状態で審査に臨みたいなら、コンサルに依頼するようにしたいものです。

創業融資コンサルのメリット、デメリット

創業融資を受ける際に、創業融資コンサルにサポートを依頼すると、いろんなメリットがあります。しかし、同時にデメリットもあるので、ここでまとめてみましょう。

創業融資コンサルのメリット

創業融資コンサルに依頼すると、以下のようなメリットがあります。

  • ・融資を申し込む準備がしやすい
  • ・金融機関からの課題を一緒に解決してくれる
  • ・コンサルタント以外のサポートも受けられる

順番に見ていきましょう。

・融資を申し込む準備がしやすい

初めて創業融資を受ける人は、何も知識や経験がないのに、一人で金融機関に出向いて、融資の申し込みをしなければなりません。金融機関ではさまざまなチェックをされるので、それらをすべてクリアするのはかなり大変です。どんな準備が必要なのかもわからず、何を聞かれるのかもわからなければ、うまくいくはずがありません。また、用意した資料に不備があれば、何度も修正して出直すことになります。

この無駄な手間だけでも大変なものですから、できることならスムーズに手続きを済ませたいものです。そこで、創業融資を担当するコンサルタントにサポートを依頼すれば、すべてスムーズに進めることができます。創業融資コンサルには、税理士や公認会計士の資格を持った人が多いので、審査に通りやすい書類の作り方や交渉の進め方など、的確なアドアイスをすることができます。そのため、創業融資に慣れていない人は、コンサルタントにサポートを依頼するのが、希望通りの融資額を獲得する近道なのです。

・金融機関からの課題を一緒に解決してくれる

創業融資を申し込んでも、その場で融資が降りるわけではありません。審査は書類や資料をもとに行いますが、結果がわかるまでには短くて数日、長いと数週間から数カ月もかかります。また、審査の過程で、さらに詳しい資料を求められることもあります。さらに、3年分の事業計画に、5年分の事業予測を足した資料を、作成しなければならないといったこともあるようです。

これらの追加課題を提出しないと、融資してもらえないので、追加資料の作成に多大な時間を要することもあります。起業してただでさえ多忙な状態で、このような要求に応えるのは容易ではありません。このような場合でも、創業融資コンサルに依頼していれば、サポートを受けながら追加資料の作成ができるので、スムーズに進めることができます。

・コンサルタント以外のサポートも受けられる

創業融資コンサルと契約すると、融資のサポートに限らず、経営全般について支援してもらえます。専門的知識を持つコンサルタントのアドバイスによって、決算や財務処理など、起業したばかりの人にはわかりにくい面についても、しっかりサポートしてもらえます。このようなサポートが受けられるかどうかで、今後の会社の運営方針が変わる場合もあるので、会社の業績を伸ばすためにはコンサルの存在が重要になります。

専門的な資格を持ち、会社運営のサポートの豊富な経験と、知識を持つコンサルタントを有効活用することによって、会社の将来も変わってくることでしょう。起業したばかりの人は、目の前の仕事に追われるばかりで、将来を見据えた展望を描く余裕はありません。その足りない分を補ってくれるのが、創業融資コンサルタントなのです。

創業融資コンサルのデメリット

創業融資コンサルタントにはメリットが多いのですが、残念なことに、以下のようなデメリットもあります。

・金融機関から敬遠される
・契約の範囲を越えると追加料金が発生する

それぞれ、詳しく見てみましょう。

・金融機関から敬遠される

創業融資コンサルタントと契約すると、金融機関の面接などにも同席することになるので、金融機関のほうが身構えるようになります。金融のプロがついているのですから、そうなるのも当然でしょう。金融機関から見ると、窓口に来た顧客と腹を割って話したいのに、隣にコンサルタントがいると警戒が先に立ってしまいます。このように、コンサルタントが同席しているために、金融機関との交渉がうまくいかない場合もあるのです。

・契約の範囲を越えると追加料金が発生する

コンサルタントとの契約の範囲を超えた作業を依頼すると、追加料金が必要になります。たとえば、融資審査で追加資料が必要になった場合、追加料金が発生することがあります。たかが追加資料を作るだけと思っても、それが契約になければ、新たに料金を請求されることもあるので注意しましょう。

また、契約内容によっては、追加資料の作成は請け負ってくれず、そこから先は、自力で資料を作成しなければならないといった事態もあり得ます。これでは負荷がかかりすぎるので、事前に契約内容をしっかり確認するようにしたいものです。

創業融資コンサルの選び方

ここまでの説明で、創業融資コンサルの重要性はご理解いただけたと思います。では、創業融資コンサル選ぶ際には、どんな点に注意すればいいのでしょうか。起業して事業を成功させるためには、創業融資コンサルの選び方が重要になります。創業融資コンサルを利用すると、予想以上に手数料を取られるケースもあるようです。

つまり、創業融資コンサル業者は、必ずしも優良な業者ばかりではないのです。また、優良な業者であっても、自社のコンセプトとは合わないということもあるでしょう。そこで、業者選びに失敗しないために、重要な2つのポイントをご紹介します。

豊富な実績があるか

実績と経験が豊富なコンサルを選ばないと、うまくいかないのは当然のことでしょう。コンサルタントの実力はわかりにくいのですが、これまでの実績を見ることによって、ある程度まで実力を推し量ることができます。創業融資コンサルの中には、ほとんど実務経験のない業者もいるので、このような業者を避けるためにも、実績を見るのは重要なことです。

報酬形態の違いを知る

創業融資コンサルは、以下の2つのどちらかの報酬形態を取っています。

・完全成功報酬型

創業融資が成功して、融資が受けられる場合に限って報酬が発生する形態です。融資を受けられた場合だけ報酬が発生するので、こちらのほうが良いように見えますが、必ずしもそうとは限りません。完全成功報酬型の場合は、顧客が多すぎて対応が追い付かなかったり、サポートの質が悪いケースもあるようです。融資が成功しないと報酬がもらえないので、どうしても多くの顧客を抱え込むからこうなるのです。さらに、融資の申請を通らなくても、報酬を取らないため責任感に欠ける傾向があります。

・着手金+成功報酬型

創業融資コンサルを依頼した時点で、着手金を支払う形態です。さらに、融資が成功した場合は追加報酬が必要になります。こちらは、融資に失敗しても一定の費用がかかりますが、だからこそ質の高いサービスを提供しようと、コンサル業者も頑張ってくれます。費用が発生する分だけ責任もあるので、何とかして審査に通過するよう努力してくれるので、良い結果が出やすい傾向があります。

創業融資コンサルの業務の範囲

創業融資コンサルは、どこまでの範囲をサポートしてくれるのでしょうか。具体的に作業内容を見てみましょう。

事業計画書等の作成サポート

創業融資を受けるには事業計画書が必要ですが、コンサルタントに依頼すると事業計画書作成のサポートをしてくれます。経験豊富なコンサルタントのサポートによって、ポイントを押さえた事業計画書ができあがります。審査に必要な資料をすべて揃えてくれるので、資料不足や内容の不備によって、差し戻になることも避けられます。

日本政策金融公庫との面談に同行

創業融資のためには面談を受けなければなりませんが、慣れない人は面談というだけで緊張してしまいます。しかし、コンサルタントに依頼すると、日本政策金融公庫との面談に同席してくれるので、安心感が違います。コンサルタントが隣にいれば、意表を突く質問があっても、しっかり答えられるでしょう。面接の出来がよくないと、たとえ事業計画書がしっかりしていても、融資に結び付かないので、あらかじめ質問を予想して答えを用意しておくことが大切です。コンサルタントは、予想質問とそれに対する答えを用意してくれます。

モニタリング業務

日本政策金融公庫の創業融資を受けると、決算時に事業の進捗状況を報告しなければなりません。コンサルタントは、その報告に必要な書類を作成してくれます。

融資関係の情報を収集

起業したての会社が受けられる融資は、創業融資以外にも補助金や助成金など数多くあります。これらの最新情報を提供するのも、コンサルタントの仕事です。早く正確な情報を得るには、専門家に依頼するのが一番ですが、融資に関することなら、コンサルタントに依頼すれば、信用度の高い情報が得られます。

顧問契約

コンサルタントには、創業融資だけでなく、その後も継続してサポートを続けてもらうこともできます。今後の融資や会社の経営など、専門家の目で会社を見てもらって、良い方向に導いてもらうこともできるのです。コンサルタントと顧問契約をすることによって、起業者のよきパートナーになってもらえます。

創業融資コンサルの費用相場

ここまでで、創業融資コンサルの重要性はご理解いただけたと思います。では、創業融資コンサルに依頼するには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。創業融資コンサルに必要な費用は、以下の4つに分けられます。

相談料

創業融資コンサルに依頼するには、まず相談料が必要です。通常、1回(2時間)ごとに、2万円~3万円くらいかかります。出張する場合は、これに交通費がプラスされますが、最近はオンラインで対応するケースも増えているようです。

着手金

創業融資コンサルと「着手金+成功報酬型」で契約すると、着手金が必要になります。着手金は5万円~10万円くらいが相場ですが、高額な融資の場合やサポート内容が多い場合などは、さらに高くなることもあります。

成功報酬

創業融資の審査が通り、融資が降りると、成功報酬を支払うことになります。成功報酬の金額は、獲得した融資額の2%~5%くらいです。

書類作成費用

創業融資の際に必要な、事業計画書などを作成してもらうための費用です。書類作成費用は、通常30万円程度かかります。

創業融資コンサルの注意点

創業融資コンサルに、依頼する際の注意点を見てみましょう。

・業務の範囲

コンサルタントが請け負ってくれる、業務の範囲をはっきりさせましょう。コンサルタントができることと、できないことを分ける必要があります。

・契約の範囲

基本料金でどこまでできるのか、追加料金が必要なケースがあるのか、確認しておきましょう。

・許認可が必要か

コンサルタントに依頼する業務の中に、許認可が必要な業務があるかどうか確認しましょう。もしあれば、コンサルタントにその許認可があることも、確認する必要があります。

まとめ

創業融資は、起業する際に利用できる資金調達法です。しかし、手続きなど、初めての人にはわからないことが多いので、創業融資コンサルタントに依頼するとスムーズに進められます。創業融資コンサルに依頼すると、融資が申し込みやすくなるというメリットがありますが、金融機関から敬遠されるというデメリットもあります。創業融資の審査に通るためには、豊富な実績のある、優良な創業融資コンサルを選ぶことが大切です。


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