2022.03.21

事業者用のビジネスローンとは?カードローンとの違いについても解説

事業者用のビジネスローンとはどのような商品なのでしょうか。ビジネスローンは事業者ローンとも呼ばれ、個人事業主や法人を対象とした金融商品です。利用に際して審査が必要であるという点はカードローンと同じですが、これらの商品は異なる点が多数あります。

本記事では、ビジネスローンの概要とカードローンとの違いについて詳しく解説していきます。事業資金の調達やビジネスローンの利用を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ビジネスローン(事業者ローン)とは?

ビジネスローン(事業者ローン)とは、事業資金として利用することを目的としたローン商品です。一般的なカードローンなどのキャッシングが個人を対象としているのに対して、ビジネスローンの対象者は個人事業主や法人となっています。

いずれも、契約前に返済能力についての審査を経る必要があります。また、消費者金融が提供するビジネスローンは、銀行等の金融機関と比較して審査が早い傾向にあります。ビジネスローンを提供する各社の中には、最短即日融資をうたっている会社もあります。

ビジネスローンとカードローンの違いは?

ビジネスローンとカードローンの違いには、3つの特徴があります。ここでは、それぞれの違いについて順番に解説していきます。

利用目的が異なる

ビジネスローンは事業資金に使うことを目的としたローン商品です。従って、使い道は事業の運転資金や設備投資資金に限られ、一般的な生活資金などに利用することはできません。

一方、カードローンであれば借入金の使い道は基本的に自由です。利用目的が限定されていないため、生活資金と事業資金の双方で利用することが可能です。

従って、借入金を事業資金以外にも使う可能性がある場合には、通常のカードローンを利用することをおすすめします。

総量規制の対象か

ビジネスローンは、総量規制の対象外であるという特徴があります。総量規制とは、個人の借入金額が年収の1/3までに制限されるルールのことをいいます。

一般的なカードローンは個人向けの商品であるため総量規制の対象となります。しかし、ビジネスローンは事業資金を目的とした融資であるため、貸金業法における「顧客の利益保護に支障を生じない貸付」に該当し、総量規制の例外貸付となるのです。

ただし、ビジネスローンとカードローンは、いずれも申込時に審査を受ける必要がある点は共通しています。そのため、利用限度額については、過去から現在に至るまでの、財務内容や支払い状況によって慎重に定められます。

ビジネスローンは総量規制の対象外の商品ではありますが、申込時に希望した限度額と審査結果による適用限度額が異なる可能性がある点については十分に注意しましょう。

連帯保証人の要否

カードローンの利用は連帯保証人を必要としないケースが多いですが、ビジネスローンの利用に際しては連帯保証人が必要なケースがあります。

法人としてビジネスローンを利用する際には、代表者の連帯保証が必要なケースが一般的です。連帯保証人の要否については、商品の内容によって異なるため、申込前に契約条件について必ず確認しましょう。

ビジネスローンを借りられる人

ビジネスローンは、事業資金を借入の目的としているため個人事業主や法人が対象です。通常の銀行融資に比べて、審査基準は緩やかな傾向があります。

これは「金利の高さ」と「小口融資が中心である」という2つの理由からなります。金利が低い場合、ローン会社の利息収入が少なくなるだけではなく、貸倒時のリスクも大きなものとなるため、審査基準は厳しくなります。あらかじめ金利を高く設定することで、一定の貸倒リスクを許容し審査基準が緩やかとなるのです。

また、中小・零細企業向けの小口融資を中心としていることから、申込件数が多く貸倒時の損失金額がそれほど大きくない点も、審査が比較的緩やかである理由の一つです。

ビジネスローンを提供している金融機関

ビジネスローンは様々な金融機関で提供されています。ここでは、代表的なものを下表にまとめます。金融機関各社によって借入条件や限度額が異なるため、比較検討しましょう。

ビジネスローンの審査基準

ビジネスローンの審査基準は、ローン会社ごとに詳細は異なりますが大きく3つのポイントがあります。ここでは、それぞれの審査基準について順番に紹介していきます。

財務状況

事業の財務状況は、審査基準の中でも最も重要な項目です。審査時には、確定申告書や決算書などの財務資料によって内容を確認しますが、その内容に問題があった場合は審査の通過率が下がってしまいます。

審査では、収益性や安全性を重視するため。決算資料の中でも営業利益や経常利益といった項目は非常に重要な項目となります。

融資金額と資金使途

ビジネスローンの申込時には、融資希望額を提示する必要があります。融資希望額に対して相応の資金使途でない場合、審査を通過することは難しくなります。

例えば、高額の融資希望額にも関わらず、経営状態の悪化に伴う赤字補填を目的とした借入では、審査担当者に前向きな融資と判断されにくいでしょう。

返済財源

融資申込時には、返済財源が確保できるかどうかも必ずチェックされます。融資金額や資金使途が正当性のあるものであっても、返済見込みが立たないと判断された場合、当然ながら審査を通過することは難しくなります。

そのため、申込時には融資金額や資金使途だけではなく、どのように返済財源を確保していくのかを明確にする必要があります。融資申込時には、事業計画や資金繰り表を提出することができると、将来の返済計画に対する信頼性が増します。

ビジネスローンの金利

ビジネスローンは、審査基準が緩やかであることや融資スピードが速いというメリットがありますが、一般融資に比べて金利は高めに設定されています。金融機関種類ごとに「ビジネスローンの金利」と「一般融資の金利」をまとめた表を以下に記載します。

ビジネスローンの金利は、一般融資に比べて高めに設定されていることが一目瞭然です。また、金融機関種類ごとの金利の高さは「メガバンク<地方銀行など<ノンバンク」となっています。

適用金利は、審査の厳しさと反比例していることが一般的です。金利が低いほど審査は厳しく、金利が高いほど審査は緩やかになっている傾向があります。

また、同一の金融機関から融資を受けたとしても、申込人の審査結果によって適用される金利は異なるため、上記表のように金利には幅があります。

ビジネスローン申込時に必要な書類

ビジネスローンの申込時には、申込書の他に併せて提出が必要な書類がいくつかあります。ここでは、ローン申込時に必要となる書類のうち主なものを紹介します。

実際に提出を求められる書類はローン商品を提供する各社によって異なるため、申込前にあらかじめ確認するようにしましょう。

本人確認書類

ビジネスローンの申込時には、本人確認書類の提出が必要となることが一般的です。本人確認書類は、顔写真付きのものが必要であり以下のようなものがあります。

  • ・運転免許証
  • ・パスポート
  • ・住民基本台帳カード
  • ・特別永住者証明書
  • ・在留カード
  • ・公的証明書類
  • ・個人番号カード

また、顔写真付きの本人確認書類を持っていない場合、以下の書類などから複数の本人確認書類を組み合わせて提出することが必要です。

    • ・健康保険証
    • ・年金手帳
    • ・戸籍謄本
    • ・住民票

収入証明書

返済能力を示す資料として、収入証明書類の提出が必要です。

個人事業主の場合、確定申告書の提出が必要です。ただし、税務署・税理士の収受印が押印されていない場合、所得証明書の提出も併せて必要です。

法人の場合、決算書を2期分提出する必要があります。こちらも、税務署・税理士の収受印が押印されていない場合は、納税証明書の提出が併せて必要です。

その他資料

本人確認書類・収入証明書の他に、ローン各社によって追加で提出を求められる資料があります。個人事業主の場合「事業内容が確認できる資料」、法人の場合「履歴事項全部証明書」「定款」などの提出が必要である場合があります。

ビジネスローンのメリット・デメリット

ビジネスローンには、メリットとデメリットがそれぞれ存在します。ここでは、それぞれに分けて紹介していきます。

メリット

ビジネスローンのメリットには、以下のようなものがあります。特に審査スピードが速いという点に関しては、取引の決済を急いでいるといった人には非常にメリットになるでしょう。
ここでは、主に3つのメリットについて解説していきます。

総量規制の対象外である

総量規制とは、「貸金業者が行う貸し付けは、本人の年収の3分の1を超えてはならない」というルールのことを指します。

これは、個人が返済能力を超える借入を行うことを防ぐという利用者保護の観点から成り立っており、このルールによって信販・クレジットカード会社や消費者金融業者は、個人に対して年収の3分の1を超える金額を貸し付けることはできません。

しかし、ビジネスローンは資金使途が事業資金である為、総量規制の対象外となり、年収の3分の1を超える金額を調達することが可能です。

融資スピードが速い

民間銀行の融資や日本政策金融公庫の公的融資は、金利は低めに設定されている反面、融資審査に時間がかかる傾向があります。金融機関によって審査期間は異なりますが、概ね2週間~1ヶ月はかかると考えていた方がよいでしょう。

これらに比べて、ビジネスローンの審査期間は比較的短く、最短で即日融資、遅くとも1週間から10日程度で融資可能となる場合が多いようです。

無担保・無保証人で申込可能

民間金融機関や日本政策金融公庫の融資を受ける際には、代表者保証や担保が必要であることが一般的です。ビジネスローンの申込は、原則として無担保・無保証人で申込が可能です。

デメリット

ビジネスローンのデメリットには、以下のようなものがあります。ビジネスローンを利用した借入は、銀行融資を受ける際にマイナスとなる可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、主に4つのデメリットについて解説していきます。

金利が高い

ビジネスローンの適用金利は、公的融資や銀行に比べて高くなっています。民間金融機関や日本政策金融公庫の融資利率は、0.3~2%台がほとんどです。

これに対して、ビジネスローンの適用金利は10%前後~18%程度である商品も存在します。

借入限度額が低い

ビジネスローンの借入限度額は、公的融資や銀行に比べて低いです。

日本政策金融公庫の小規模企業向け一般貸付融資の限度額は4,800万円、民間銀行の中小企業向け融資の限度額は1,000万円~10,000万円程度とされている場合が多いです。

これに対して、ビジネスローンの借入限度額は数十万円~数百万円と比較的少額とされています。

銀行融資の審査に影響する可能性がある

法人の場合、ビジネスローンから融資を受けると、決算書における科目明細の借入先一覧に記載されることになります。

銀行融資の審査を受ける際に、借入先一覧にビジネスローンが記載されている場合、審査に影響を及ぼす可能性があります。

信用保証協会の保証が必要な場合がある

前述の通り、ビジネスローンの申込は原則として無担保・無保証人で行うことができます。しかし、その分だけ金利は高く、借入限度額は低めに設定されています。

他方、民間銀行が提供するビジネスローンの中には、金利が低い商品や借入限度額が大きい商品も存在します。それらの申込を行う際には、信用保証協会による保証や担保の提供を条件とするものが多いです。

ビジネスローンを利用する際の注意点

ビジネスローンは融資スピードが速く、審査基準も比較的緩やかなことから、利便性の高い商品です。しかし、ビジネスローンの利用時には、いくつか注意すべき点が存在します。ここでは、それぞれの注意点について紹介していきます。

申込は余裕を持って行う

ビジネスローンは融資スピードが速く、最短即日融資が可能という会社もあります。しかし、人間が審査を行っている以上、24時間いつでも審査可能というわけではありません。

申込自体はWebからいつでも行えますが、審査時間には一定の制限があります。

また、銀行振込によって融資金を受け取る場合、平日15時以降は受付時間の対象外となります。その場合、翌営業日以降の振込となる点に注意が必要です。必要な時に融資を受けられるよう、申込は余裕を持って行いましょう。

必要書類は事前に準備する

ビジネスローンの審査では、申込書の記入の他にいくつか必要書類の提出を求められます。

法人であれば「代表者自身の本人確認書類」「決算書」等が、個人事業主であれば「本人確認書類」「確定申告書」「事業内容の証明書類」等があります。

申込から融資までの手続きをスムーズに行うため、必要書類は事前に確認し前もって準備するようにしましょう。

申込書類は記入ミス現金

申込書類の記入やWeb上の申込フォームへの入力は、ミスがないよう細心の注意を払いましょう。会社名や住所に入力ミスがあった場合、確認のため余計な時間がかかり審査手続きが遅れてしまいます。

また、電話番号を間違えてしまった場合、確認のための連絡すら取れなくなってしまう可能性があります。些細な入力ミスによって、即日融資が可能であった申込が間に合わなくなってしまうケースがあることを念頭に置きましょう。

他の資金調達方法も検討しておく

ビジネスローンは審査が比較的緩やかですが、申込内容によっては融資を受けられない可能性もあります。 そのため、申込時には他の資金調達方法も検討しておくようにしましょう。

融資否決時の代替方法として代表的なものに「ファクタリング」があります。ファクタリングは売掛金などの債権を売却して資金を調達する方法であり、資産の売却であるため審査を経る必要があります。最短即日に現金化することが可能であり、売掛債権がある場合には検討の価値があります。

まとめ

本記事では、ビジネスローンの概要とカードローンとの違いについて解説してきました。ビジネスローンは個人事業主や法人の方を対象としており、使い道は事業資金に限られます。

ビジネスローンと個人向けカードローンをそれぞれ提供している会社であっても、商品が異なるため申込条件や資金使途は同じではない点に注意しましょう。

また、カードローンは資金使途が限定されていないため、事業資金以外にも利用する可能性がある場合は個人向けカードローンの利用も検討しましょう。ビジネスローンと個人向けカードローンの違いについて理解し、最適な商品を選択しましょう。


ビジネスローンとは